今シーズンの公演でおそらく最も話題を呼んでいるのがこの演目、「ロッキー・ホラー・ショー」です。
日本では、古田新太さんが主演のフランク・フルターを演じられていた公演が何度かあったようですね↓
この公演の面白いところは、お客さんもコスプレをして実際の演者のように参加するという点です。具体的に言いますと、ダンスシーンではお客さんも一緒に踊ったりジャンプしたり、嵐の中車のタイヤがパンクして役者が新聞紙を傘代わりに頭上に広げて外に出るシーンでは、お客さんは自分の持ち寄った水鉄砲で雨の演出をしたり、持参した新聞紙を広げて同じように雨をしのぐしぐさをしたり、とまさにお客さんも一緒に参加して楽しむような伝統のあるミュージカルなのです。
32年前、この映画が流行した直後、コーブルクでもミュージカル公演が行われていたのですが、1840年から建っているこの歴史的建造物が、お客さんみんなのジャンプによって、壁などが壊れ始めてしまいました。そこで中止になって劇場の外の広場で公演が続けられました。そんな歴史あるミュージカル。今シーズンから劇場が新しい建物になったことで、再び公演ができるようになったというわけです。ホール内公演での詳細はこちら↓
そして、昨日この公演が32年ぶりに屋外でオープンエア引っ越し公演として行われました!!
まずすごいなあと思ったのが、舞台装置を作る人たちです。場所が違うけどそんなのお構いなし!という感じで数時間で移動させて安全に作ってくださいました。
ドライバーですぐに階段など取り付けたり、私たちが足を引っかけないように絨毯のつなぎ目はきちんと全てテープで覆ったり、本当に細かいところまで素晴らしい!おかげさまで安心して舞台に臨めます。
昼12時半に行くとすでに舞台は完成。私たちの簡単通しリハーサルです。
舞台の形が若干違い、回る舞台装置もないため、少し演出を変えて、部分部分うまくいかない場所は止めて変更を入れていきます。
14時45分練習終了でみんなで食事券をいただいてビュッフェをいただきました!最高においしくてありがたかったです!
そしていったん家に帰り、18時ごろ再び出勤。
入り口にはすでに長蛇の列。約3千人のお客さんが集まりました。
チケットの値段は57,25ユーロの立ち見席。単純計算で、171750ユーロ(日本円で約3千万円)の売り上げです。利益がどれだけ出ているかはわかりませんが、これはすごいことだなあと感慨深かったです。
3000人のお客さんの前で歌うなんてなかなかできない経験で、鳴りやまない歓声・アンコールのコール。本当にすごかった。コーブルク市内中に響き渡るような歓声。これだけ熱狂させるこの音楽と役者の皆さん、それを支える全てのスタッフさん、本当に大きな芸術だなあ、これだけ人がよればこんなにすごいことができるんだ!と感動するような、本当に素晴らしい経験でした。
公演スペースの周りには飲食できる屋台ブースがあり、最高の夏のフェスティバルな雰囲気がありました。
公演後には掃除のスタッフさんが公演で使われたクラッカーの紙吹雪や新聞紙などのごみを片付けてくれていました。そしてすぐに舞台の取り外しが行われていました。また、シャトルバスを運行してくださったバスの運転手の皆さん、交通整備してくださった警察のみなさん、本当にたくさんの人がかかわってできた歴史的公演でした。そんな日に携わることができ、本当に幸せでした。
Comments